こんにちは。
タマ子です。
小1の長男は今年の夏休み、初めて絵日記にチャレンジしました。
それまで自分で文章を考えたことがなかった長男。
文字は書けても、「文章を書く」となるとどう構成していいか見当がつかない様子でした。
初めての作文ということもあり、今年は私がほとんど考えましたが、いつも手を貸すわけにはいきません。
読書で語彙を増やし、知識を積み上げてきた長男に、アウトプットの仕方を覚えてほしいと思い今回はこんな本を買ってみました。
ドラえもんの国語おもしろ攻略
すらすら作文が書ける
(キャラクター原作:藤子・F・不二雄 指導:若林富男)
今回はこの本を紹介させてください。
書く技術ここにあり
- おすすめ年齢 8歳ごろ(ひらがなが読める)〜
- 読みやすさ ★★★★★
- ストーリー ★★★★☆
- ひみつ道具度 ★★☆☆☆
- お役立ち度 ★★★★★
- 学べる科目 国語
話し上手の参考書「じょうずに話せ、発表できる」の著者、若林先生の本です。
やや難しい漢字が使われていますが(ルビあり)、ストーリー性があり、説明もわかりやすく書かれているのでスイスイ読めます。
<タマ子のひと言>
映画のようなストーリー展開
のび太・しずか・スネ夫・ジャイアンは、ドラえもんが昼寝している間に勝手に修理中のマシンで遊び、知らず知らずのうちに作文ワールドに迷い込んでしまいます。
困った4人は、助けを求めてドラえもんに連絡。そこでドラえもんから「作文を書けないと一生作文ワールドから脱出できない、とにかく作文を書きまくれ」と聞かされます。
泣き出すのび太。しかし、すかさずしずかは「作文で賞をもらったことがある」と、作文の達人であることをアピールします。
しずかの実績にのび太とスネ夫は安心するものの、突如しずかの発言を聞きつけた海賊のキャプテンが現れ、しずかはさらわれてしまいます。
作文の達人がいなくなり、取り残されたのび太・スネ夫・ジャイアン。3人は自力で作文を書かなければならないことに…。
このタイミングで運悪くドラえもんとの通信が途切れてしまいます。
ドラえもんは助けに来てくれるのか?
のび太たちはしずかを助け出し、無事作文ワールドから脱出できるのか?
と、ここまで短い映画のような展開です。
「読む人を惹きこむストーリー」から始めるところがとても上手い。
この冒頭シーンだけで、書く技術を見せつけられます。
まずは手紙からはじめよう
文章を書くとなると、何から書いていいかわからず尻込みしてしまいますが、手紙を書くのであれば取り組むハードルが下がります。
手紙は「誰か」に「何かを伝えたい」ときに書きます。読んでもらう相手と目的がはっきりしているので、書く内容がイメージしやすく、作文の練習にうってつけです。
手紙の型を覚える
手紙を書くときには「型」を意識して書くとうまくまとめられます。
大人になると親戚づきあいやビジネスでお礼状などを書いたりもらったりする機会がありますが、どれを見ても同じ構成をしていますよね。
まさにそれが手紙の「型」です。
手紙の「型」は3つのパートから成り立ちます。
・前文(季節のあいさつ)
・主文(要件)
・末文(結び)
「型」の覚え方は、相手の家に訪問した時の状況を考えるとわかりやすいです。
①前文
出会いのあいさつ「こんにちは。」
②主文
本題を話す「おいしい和菓子屋さんを見つけたよ。今度どら焼きを食べにいこう。」
③末文
別れのあいさつ「それじゃさようなら。」
主文は「自分の伝えたいことをはっきりさせて、相手にわかりやすく書く」のがコツです。
書きやすい作文のタネを探そう
文章を書くとき、とりわけテーマの指定もなく自分で決める必要があるとき、何を書けばいいか悩む人はとても多いです。
自由にしていいと言われると、範囲が広すぎて着地点を決めるのが難しくなってしまうからです。
書くテーマに悩むときは、「書きやすさ」にフォーカスしてみましょう。
作文にしやすいのはどんな題材でしょうか。
一番書きやすいのは、自分自身の経験談です。
「見た」「聞いた」「体験した」ことについて頭の中で思い出してみて、次々と浮かべられるものについてはすらすらと書くことができます。
どうしたらはっきりしたタネを考えられるのですか。
見たり、聞いたり、したことが、すぐに思い出せるような、具体的なことをタネにするのです。
ここで大切なのは、アンテナを張ることです。
書くテーマに対して注意を払って観察しないと、タネを具体的なことに絞ってもぼんやりとしか思い浮かびません。
とは言っても、常に頭の中でタネになりそうなことを記憶し続けるのはなかなか難しいことなので、このまんがではメモを取ることを勧めています。
気づいたこと、感じたことなどをメモにして、記録しておく。これが後で役にたつのよ。
ちょっとしたメモでもあると、そのメモを書いたときのようすがつぎつぎ思い出されてくるわ。
このメモの使い方については後述します。
作文は構成が9割
作文の題材が決まったら、次はそれを組み立てていきます。
作文を書くときは、ただ思いついた順に書くのではなく読み手に伝わりやすい形に整えます。
これを構成といいます。どういう順で何を書くかが重要です。
構成をしっかりと組むことで、グッと読みやすくなり、文章にまとまりが生まれます。
組み立ての基本「はじめ」「なか」「おわり」
手紙の「型」と同様に、作文にも構成の「型」があります。
・作文をはじめるための「はじめ」
・作文の本文の「なか」
・結びにあたる「おわり」
本書では、作文を家に例えて表現しています。
作文にはタイトルがあり(屋根)、「はじめ」「なか」「おわり」という柱から成り立っています。
これが作文の基本構成です。
作文の組み立てをするには、読書をして文章に慣れ親しむための土台(基礎)をしっかり作ることも大切です。
メモを使って組み立てていこう
それでは、先程の【作文のタネのメモ】について説明していきます。
手順は次のとおりです。
準備するもの:ペン、メモ帳、メモをまとめる紙
①メモ帳にメモをする
作文のテーマに関係すること(作文のタネ)を、思いつくままにどんどん書き留める。
ポイント:メモは簡潔に書く。1枚のメモに複数のことを書かない。
②メモを同じ仲間に分ける
同じ時間・同じ場所など、カードに書かれたことの共通項を軸に、グループ分けする。
例:ここでは、ABCDEFG7つのグループに分かれると仮定する。
③メモのグループを作文の構成テンプレートに当てはめる
「はじめ」「なか」「おわり」のどこにあてはまるか考えて割り振る。
例:手順②で分けたグループで「はじめ」はBE、「なか」はADF、「おわり」はCGというように。
④メモの中から、採用するものしないものを選ぶ
例のケースだと今、メモは「はじめ」「なか」「おわり」のグループごとになっているので、
・「はじめ」グループの中で採用するメモはE、不採用はB
・「なか」グループの中で採用メモはAとF、不採用はD
・「おわり」グループの中で採用はC、不採用はG という具合に選別する。
メモを選び出すポイント
まず、最初にどんな「なか」を書くかを決め、次に「はじめ」に必要なメモを選ぶ。
⑤採用するメモを一枚の紙にまとめる
「はじめ」「なか」「おわり」の項目とメモの内容を1枚の紙にまとめる。
表形式にするとわかりやすい。
ここで作ったまとめ(組み立てメモ)が作文の骨組みになります。
表現を工夫して文章に彩りを
骨組みが決まったら、いよいよ作文の形にしていきますが、このとき、
「ぼくは、どら焼きを食べました。おいしかったです。」
と事実をそのまま書くのではつまらないし、味気がありません。
どら焼きを食べたときの様子をふくらませて表現してみましょう。
「ぼくは、皮の間からたっぷりあんこが見えるほどふっくらしたどら焼きを食べました。あまりのおいしさについ顔がほころびました。」
と書くと、読み手側にも伝わりやすくなり、書かれている光景をイメージしやすくなります。
たった1行の文でも「書き手の動作」「場所」「ようす」などを入れることでくわしい文になるのだよ。
書き終えたら必ず読み返す
作文ができたらそれで終わり、すぐに提出というわけにはいきません。
内容に間違いがないか、誤字脱字がないかのチェックが必要です。
推敲のチェックポイント
①文章の中身について
・書いてあることがらにまちがいはないか(数字や場所)
・人の動作やようす、話し言葉がぴったりした言葉で書けたか②文章の組み立てについて
・各だんらくがうまく区切られ、つながりをもっているか
・書き出し、結びがこうか的に表現できたか
・題名と内容がうまく合っているか③文字や語句の使い方について
・語句の選び方がうまくいったか
・「です・ます」と「である・だ」がごっちゃになっていないか
・漢字・かなの書き方、使い方はどうか
・送りがな・かなづかいにあやまりはないか
・句読点やしるしの使い方はてきせつか④その他
・書きはじめとだんらくでは、行がえして、一字あけて書く…など
1回で完璧に書くことは難しいです。
推敲して誤りを正し、しっくりくる表現に書き換えることで、より読みやすく洗練された文章になっていきます。
まとめ
このまんがは「作文をすらすら書くためのヒント」として書かれていますが、多くの部分においてブログ記事を書くときにも活用できるのではないでしょうか。
『ドラすた』でも、「はじめ」「なか」「おわり」のような構成を心掛けて書いています。
文章力を上げるにはとにかく「書くこと」。自分にとって楽しく書けるテーマであればスイスイと書き進められますし、それが上達に繋がります。
そして、書いた後の推敲。実はこれがキモです。
できれば一度だけでなく、何回か推敲できればベストです。
作文の課題を出された子供も、文章力を上げたい大人も、書き方のコツをおさえて良質な文章を書きましょう。